表千家 | 裏千家 | メモ | |
[その他]帛紗1 | 女性の点前帛紗は朱色(ほぼ橙色に近い色)、男性は紫色。 | 女性の点前帛紗は赤色、男性は紫色。 | ぼかしや絵柄入りの友禅帛紗は、裏千家限定です。 |
[その他]帛紗2 | 出帛紗(だしぶくさ・点前帛紗と同じぐらいのサイズ) | 古帛紗(こぶくさ・点前帛紗の1/4程度のサイズ) | 古帛紗は薄茶を客前に運ぶ時に使いますが、出帛紗は薄茶の時には使われません。 |
部屋に入る時 | 左足から | 右足から | 出るときは逆の足から |
畳を歩く時 | 1畳6歩 | 1畳4歩 | - |
立ち上がる時 | 両足を揃えて一度に立ち上がる | 片足を立ててから立ち上がる | - |
水差しを運ぶ時 | 茶道口(茶室の入り口)で、水差しを自分の正面に置いて礼。 | 茶道口(茶室の入り口)で、水差しを斜め前(建付・柱の側)に置いて礼。 | - |
建水を運ぶ時 | 茶道口を閉める。 | 茶道口は閉めない。 | 裏千家も、濃茶の時は茶道口を閉めます。 |
建水から蓋置を取り出す時 | 柄杓を少し持ち上げて蓋置を取り出し、柄杓を建水に戻してから、蓋置を置く。(その後、柄杓を建水から取って蓋置にかける。) | 柄杓を鏡柄杓で構えながら蓋置を取り出し、柄杓を蓋置にかける。 | - |
柄杓を蓋置にかけた後 | 総礼をする。居住まいを正してから、建水を進める。 | (平手前では総礼はしない。)建水を進めてから、居住まいを正す。 | - |
帛紗を腰から取る時 | 三つ折りにして、帯から抜き取る。 | 二つ折りにして、帯から抜き取る。 | - |
ちり打ち | 平点前でもやる。(点前で棗を拭く前、片付けで茶杓を拭く前など) | 上級のお点前にならないとやらないらしい。 | ちり打ち:帛紗を三角にして横に持った状態で、ちょっと緩めて「パン」と音を出すアレです。 |
帛紗をさばく(畳む)時(三つ折り) | 三角にした後、縦に持って、左手を真ん中にあてて三つ折りに折る。 | 三角にした後、横に持って、左手の三本の指[中指・薬指・小指]を自分の側に出した状態で縦にして二つ折りにする。さらに一つ折り返して三つ折りに。 | 表千家のやり方のほうがちょっと難しいです。 |
帛紗をさばく時(三つ折りにして細くした後) | 真ん中から二つ折り→更に二つ折りにして、残りの端[しっぽ]をさらに折り込む[微妙に三つ折り] | 真ん中から二つ折り→人差し指で一の字を書くようにしながら更に二つ折り | - |
棗を拭くために、さばいた帛紗を更に二つ折りにする時 | さばいた帛紗の両端を両手で持って、左右対称に折り曲げて二つ折りに | さばいた帛紗を右手で持って、揃えた左手で左端を押すようにして二つ折りに | - |
表千家 | 裏千家 | メモ | |
棗を拭く時 | 「こ」の字に拭く(裏千家で言う二引きをちょっと丸くした感じ) | 上下を[「こ」の字に]拭いた後、蓋の上に帛紗を横に置いて一つ広げて[二つ折りでない状態に戻して]、手のひらで上下にずらして蓋全体を拭き、右に抜き取る。 | 中棗の場合です。吹雪・中次などは表千家も裏千家も二引き。 |
茶杓を拭いた後 | 帛紗を茶杓の節のあたりまで戻して、横に抜き取る。 | 茶杓のかい先から向こう側に帛紗を抜き取る | - |
釜の蓋を開ける時 | 茶杓を拭いた後の帛紗を、建水の前に置く→柄杓を構える→帛紗を取って、釜の蓋を開ける。 | 茶杓を拭いた後の帛紗を、左手の人差し指と中指の間に挟む→帛紗を挟んだまま、親指と人差し指の間で柄杓を構える→帛紗を取って、釜の蓋を開ける。 | - |
柄杓を釜に置く時(茶筅通しのためのお湯を汲んだ後) | 切り柄杓。 | 置き柄杓。 | 以降は切り柄杓と置き柄杓が交互になるので、表千家と裏千家で毎回逆になります。 |
茶筅通し(3回) | 茶筅を茶碗の中に入れる(左手は、持ち上げて調べる時に添える)→時計回りに12時の方向から6時まで→反時計回りに6時から9時まで→右に倒す→持ち上げて調べる(持ち上げて調べる回数は3回、茶碗の縁にあずける回数は3回) | 茶筅を茶碗の中に入れる(と同時に、茶碗に左手を添える)→右に倒す→持ち上げて調べる(茶碗の縁にあずける回数は3回、持ち上げて調べる回数は2回) | どちらもカウントは3回なのですが、持ち上げて調べる時点でカウントする(表)か、茶碗の縁にあずける時点でカウントする(裏)かで違うようです。 |
茶筅通しの後(建水に捨てる時) | 反時計回りに2・3回まわしてから捨てる。(飲む時のように茶碗を回転させるのではなく、茶碗を傾けて、お湯で茶碗の横を温めるようにして回します。) | 回さずにそのまま捨てる。 | - |
表千家 | 裏千家 | メモ | |
茶碗を拭く時(三回半拭いた後) | 茶巾を抜き上げて、茶碗の中に茶巾を表面を上にして横に置く→真ん中をつまんでリボンのようにする→左・右・真ん中と拭く(茶巾を釜の蓋の上に置く時も、リボン状態のまま縦に置く) | 茶巾を抜き上げて、茶碗の中に茶巾を裏面を上にして縦に置く→上三分の一を折る→(裏面を上にしたまま)左・右・左・右と拭く(最初の左・右で比較的外側、後の左・右で比較的内側を拭く)→表面に返す | - |
抹茶を入れるために茶杓を取った後 | (特に何もしない) | 「お菓子をどうぞ」と言って軽く礼をする。 | - |
棗の蓋を開けて、蓋を置く時 | 棗の蓋は、茶碗の右横に置く。 | 棗の蓋は、右膝頭に置く。(茶碗の斜め右下あたり) | - |
茶碗に抹茶を入れる時 | 一勺半(茶杓1.5杯ぶん)入れて、抹茶をさばく。(=山になっているのを崩す) | 二尺(茶杓2杯ぶん)入れる。(抹茶はさばかない) | 抹茶の量が違うので、表千家で泡を沢山立てようとしても難しいです。 |
抹茶を泡立てる時 | 適度に泡立て、泡の無い部分(=海)が半月状に残るようにする。泡もうっすらとした感じ | お茶の表面を全て、細かい泡がふっくらと覆うように点てる。(真ん中が盛り上がるぐらい泡立てる。) | 世間一般の、泡泡なイメージのお抹茶は裏千家です。 |
お茶を出す時 | 右膝の横に仮置きする→体を斜めに向ける→茶碗を反時計回りに回して出す。 | (斜めを向かず正面を向いたまま)茶碗を時計回りに回して出す。 | 回す方向が逆です。 |
表千家 | 裏千家 | メモ | |
[半東]菓子鉢を出す時 | 菓子鉢の正面を自分の側にして運び、客の前に置いてから、畳の上で回して出す。 | 菓子鉢の正面を向こう側にして運び、回さずに出す。 | - |
[客側]懐紙を使う時 | 二つ折りの懐紙の、一番下の1枚を上に回して懐紙の裏面を表にしてから、お菓子を乗せる。(最近は、表千家も懐紙の表面を使うという噂も…?) | 二つ折りの懐紙にそのまま懐紙の表面にお菓子を乗せる。食べ終わった後、一番下の1枚を上に回して仕舞う。 | 表千家は懐紙の裏面を使うので、絵入りの懐紙は主に裏千家で使われます。 |
[客側]茶碗を拝見する時 | 畳のへりの内で拝見する。 | 畳のへりの外で拝見する。 | - |
[客側]茶碗を返す時(拝見後) | 反時計回りに回して返す。 | 時計回りに回して返す。 | (ちょっとうろ覚えですが、多分逆だったと思います。) |
戻ってきた茶碗を取り込む時 | 斜めを向いて茶碗を取り込んで、斜めを向いた時の正面に仮置き→正面を向いて、右膝の前にある茶碗を正面に取り込む。 | 正面を向いたまま、茶碗を取り込む。 | - |
戻ってきた茶碗をお湯ですすぐ時 | 茶碗にお湯を入れ、茶筅通しの後と同様に2・3回まわして捨てる。 | 茶筅通しの後と同様、回さずにそのまま捨てる。 | - |
茶筅通しのために水を茶碗に入れた後 | 柄杓を、置き柄杓で釜にかける。 | 柄杓を、引き柄杓で釜にかける。 | 引き柄杓:指をまっすぐ揃えて手前に柄の先(切止)まで引き、柄の先をつまむようにして置きます。表千家も、男点前は引き柄杓らしいです。 |
茶筅通し(2回) | 最初の茶筅通しと同様だが、回数が1回少ない。(持ち上げて調べる回数は2回、茶碗の縁にあずける回数は2回) | 最初の茶筅通しと同様だが、回数が1回少ない。(茶碗の縁にあずける回数は2回、持ち上げて調べる回数は1回) | 最初の茶筅通しと同様、カウントのタイミングが違います。 |
茶杓をふく時 | 建水を下げて帛紗を腰から取る→ちり打ちをする→帛紗をさばく→茶杓をふく。 | 茶杓を右手で取る→茶杓を持ったまま、建水を下げて帛紗を腰から取る→茶杓を持ったまま、帛紗をさばく(ちり打ちはしない)→茶杓をふく。 | - |
釜に水を差す時 | 2杓(柄杓に2杯)差す | 1杓(柄杓に1杯)差す | 裏千家のほうがお釜のお湯の減りが早いです。 |
拝見のために建水の前に茶碗を仮置きする時 | 二手(左手→右手)で仮置きする。 | 一手(右手)で仮置きする。 | - |
拝見で棗をふく時 | 点前の時と同様、「こ」の字にふいて、甲拭きなし。 | 点前の時と同様、上下をふいてから甲拭きする。 | - |
棗の口縁をふく時 | 棗の蓋を左膝の前に置く→棗の口縁をふく→帛紗を蓋の右横に置く→蓋を持って閉める | 棗の蓋を正面に置く→棗の口縁をふく→帛紗を握り込んだまま蓋を持って閉める→帛紗を正面に置く | - |
茶杓を出す時 | 左手で節のあたりを持ったまま、右手で切止のあたりを持って、茶杓を横にして右手を節まで滑らせる(鏡柄杓の状態から水を汲む時と似た感じ。ただし、右手は下からではなく上から持つ)→切止が客側になるように右手で節のあたりを持って出す。(茶杓が反時計回りに回ることになる。) | 左手で持っている部分のすぐ上を、右手で逆手に持って、片手で回して出す。(茶杓が時計回りに回ることになる。) | - |
建水を下げる時 | 茶道口が閉まっているので、開けて出て行く。 | 茶道口は空いているので、そのまま出て行く。 | - |
拝見に出した棗と茶杓を下げる時 | 右手で茶杓を持って左手に持たせ、右手で棗を持って下がる。 | 右手で棗を持って左手の上に載せ、右手で茶杓を持って下がる。 | - |
茶道口で挨拶のために棗と茶杓を置く時 | 正面に、棗と茶杓を同時に置く。 | 斜め前(建付側)に茶杓を置いてから、茶杓の隣(自分側)に棗を置く。 | - |
[水屋]茶巾を畳む時(絞った後、広げて伸ばす時) | 長い辺→短い辺→長い辺と、合計3辺を伸ばす。 | 長い1辺だけを伸ばす。 | - |
[その他]濃茶で飲み口をぬぐう時 | 乾いた懐紙でぬぐう。 | 濡らした小茶巾(紙製で使い捨ての紙茶巾が主流)でぬぐう。 | 濡らした小茶巾を入れておく「茶巾入れ」は、多分裏千家限定です。 |
[その他]運営方針 | 流派の規模は第二位。(戦前は最大流派だった?)とはいえ、茶道の2大流派の1つであり、その他の流派とは段違いの規模。
比較的伝統保守派。大人しいイメージ。 稽古重視で、あまり点前の手順書を出さない。 |
現在の最大流派。多角経営。
比較的伝統打破派。普及活動や出版物等、派手なイメージ。 家元や同門組織(淡交会)と密着した出版社(淡交社)も持っており、手順書も大量に。 |
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[その他]名称 | お家元は「千宗左」。同門組織は「同門会」。お家元から派遣されてくる直属の先生は「玄関」さん。 | お家元は「千宗室」。同門組織は「淡交会」。お家元直属の先生は「業躰(ぎょうてい)」さん。 | お家元は代々同じお名前です。○○斎という斎号で区別します。 |